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ZBrush・Blenderでフィギュア自作|デジタル造形入門

更新: 白石 彩花
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ZBrush・Blenderでフィギュア自作|デジタル造形入門

自作フィギュアのデジタル造形は、素体、造形の作り込み、ポーズ付け、パーツ分割、3Dプリント出力という5工程で成り立つ。ガレージキット制作からデジタル造形に移った筆者も、最初は球体を1週間いじり倒して立体把握に慣れるところから始めたが、その回り道があってこそ素体づくりが一気に楽になった。

自作フィギュアのデジタル造形は、素体、造形の作り込み、ポーズ付け、パーツ分割、3Dプリント出力という5工程で成り立つ。
ガレージキット制作からデジタル造形に移った筆者も、最初は球体を1週間いじり倒して立体把握に慣れるところから始めたが、その回り道があってこそ素体づくりが一気に楽になった。
ZBrushとBlenderの二択も、顔や肌のような有機的な造形に強いZBrushと、無料でメカや武器などの硬質面に向くBlenderという得意分野の違いで見れば、迷いは使い分けへ変わるでしょう。
完成までの道筋を先に掴み、工程順に進めていけば、初心者でも最初の1体を1か月ほどで形にできます。

デジタル造形で自作フィギュアはどこまでできるか

デジタル造形は、PC上で粘土をこねるように立体を作る方法です。
手作業のスカルプトよりも左右対称化、やり直し、拡大縮小がしやすく、崩れた形を戻しながら詰められるので、初学者が試行錯誤を進めやすいのが強みでしょう。
完成までの流れも、素体から造形の作り込み、ポーズ付け、パーツ分割、3Dプリント出力という5工程に整理でき、実物フィギュアを作るならこの直列構造を最初に掴んでおくと迷いにくくなります。

デジタル造形と手作業の造形の違い

手粘土の原型は、削りすぎると戻らない場面が多く、修正のたびに全体のバランスが崩れやすい作業でした。
デジタル造形ならアンドゥで一手前に戻せるうえ、レイヤー感覚で形を積み直せるため、思い切った試行錯誤ができます。
筆者が初めてデジタルで1体を通したときも、途中で何度もプロポーションを崩しましたが、対称化とアンドゥのおかげで手粘土時代のような「作り直し全損」は起きませんでした。
ガレージキット原型で味わった、削った瞬間に逃げ場がなくなる感覚が薄れたのは、かなり大きな安心材料でした。

使うソフトも考え方が分かれます。
ZBrushはDynameshやライブブーリアンが強く、顔や肌のような有機的な造形、さらに1,800万ポリゴン級でも減算ブーリアンを軽快に扱うようなハイポリ処理に向きます。
Blenderは無料のオールインワンで、武器やメカなど硬質面の処理に扱いやすく、仕上げまでひと通りまとめやすい道具です。
初心者なら「有機物はZBrush、硬質面と仕上げはBlender」と役割を分けると、画面内の立体把握でつまずいても戻り道を作りやすいです。

自作フィギュア完成までの5工程マップ

自作フィギュアは、素体→造形の作り込み→ポーズ付け→パーツ分割→3Dプリント出力の順で完成します。
どれか1工程だけを切り出しても作品にはならず、次の工程の前提を順番に作っていく直列作業です。
たとえば素体の段階で全身バランスをほぼ決め、脚腕は円柱の延長ではなく筋肉の付き方で組み、シルエットを丸や楕円に収めておくと、その後の作り込みや分割で破綻しにくくなります。

ℹ️ Note

3Dプリント直前には、中空化、サポート角度の調整、大型パーツの分割が必要です。ここを飛ばすと未硬化レジンが残ってひび割れや漏れの原因になり、せっかくの造形が出力段階で台無しになります。

工程ごとの役割を整理すると、どこで何を決めるべきかが見えます。

工程主な目的ここで決まること失敗したときの影響
素体全身の土台を作る身長、頭身、比率後工程の修正量が増える
造形の作り込み顔・服・小物を整える印象、情報量、質感完成度の説得力が落ちる
ポーズ付け動きと重心を決める見栄え、安定感立たない、流れが弱い
パーツ分割出力と組立を成立させる継ぎ目、保持力造形が壊れやすくなる
3Dプリント出力実物化する造形の再現性支え不足や抜けで失敗する

初心者の壁は、モニター越しに立体を読む難しさです。
球体を対称で作る練習や、DAZ Studioのベースメッシュを使って全体像を先に掴む方法が有効で、画面上で崩れに気づく回数を増やすほど上達が早まります。
最初から細部を詰めるより、まずは工程を一周させましょう。

最初の1体にかかる期間の目安

習熟には1〜2年かかる前提で語られる技術ですが、最初の1体は原型会社でも約1か月かけて完成させる進め方が定番です。
完成度の高さより、1体を最後まで通し切る経験のほうが価値があります。
途中で止めると、どの工程で何が詰まったのかが曖昧なまま終わるため、次の1体に学びがつながりません。

筆者も手作業のガレージキット原型では、削りすぎたら取り返しがつかない場面に何度も悩まされました。
デジタルに移ってからは、失敗した造形をレイヤーごと戻せたことで、思い切った修正を試せるようになりました。
だからこそ、最初の1体は完成品の豪華さより、途中で崩れても立て直して最後まで持っていくことを優先して進めてみてください。

ZBrushとBlenderの違いと使い分け

ZBrushはスカルプト専用ツールとして、顔や肌、布のような柔らかい面を積み上げる作業に強く、人体造形の中核を担わせやすいソフトです。
Dynameshやライブブーリアンがあるため形を大きく崩さずに試行錯誤しやすく、1,800万ポリゴン級でも減算ブーリアンを軽快に扱えるのが頼もしさにつながります。
Blenderは無料のオールインワンで、モデリングからレンダリングまで一貫して進められるため、武器やメカ、アクセサリーのような硬質で直線的なパーツに向いています。
初心者ほど「有機物はZBrush、硬質面と仕上げはBlender」と分けると、迷いが減って作業が進みやすいでしょう。

ZBrushが得意なこと

ZBrushの強みは、筆圧に沿って形を押し出し、削り、なだらかにつなぐ造形の流れが素直なことにあります。
顔の頬のふくらみや口元の緩い起伏、布のたわみのような曖昧な輪郭は、ブラシ群とDynameshの組み合わせで積み上げやすく、フィギュアの人体造形ではとくに効きます。
実際、Blenderのスカルプトで顔を作ろうとして陰影のコントロールに苦戦したあと、同じ顔をZBrushで作り直すと短時間で肌の柔らかさが出た、という感覚はよくあるつまずきです。
形を整えるより、まず立体感を作る場面で強いのがZBrushだと言えます。

ハイポリ処理でも差が出ます。
1,800万ポリゴン級でも減算ブーリアンが軽快に動くので、細部を詰めながらパーツをえぐる、被せる、割るといった工程が止まりにくいのです。
フィギュア原型では、最初から完璧な面を作るより、素体から肉付きへ進めてから表情や衣装の情報を重ねるほうが自然にまとまります。
Blenderのスカルプトは200万ポリゴンあたりが実用の一つの基準になりますが、そこを超えて密度を上げるほど操作感が重くなりやすいので、細密化の主戦場はZBrushに寄せたほうが安心です。

Blenderが得意なこと

Blenderの魅力は、無料で始められる敷居の低さと、ひとつのソフトで作業を完結しやすい広さにあります。
モデリング、UV、マテリアル、レンダリングまでつながっているため、造形だけでなく見せ方まで一続きで考えられるのが便利です。
とくに武器、メカ、台座、アクセサリーのような硬質面は、直線や面の管理がしやすいBlenderと相性がよく、左右対称や規則的な分割を保ったまま組み立てやすいのが利点でしょう。
無料でここまで揃うのは、始める側にとって大きな後押しになります。

ただし、ブーリアンや重い分割処理では手が止まりやすいのも事実です。
武器パーツを左右対称のミラーとブーリアンで抜こうとしたとき、重さに操作が鈍って流れが切れた経験があるなら、なおさら実感しやすいはずです。
そうした場面では、無理にBlenderへ寄せず、パーツの切削や穴あけは別の工程に逃がしたほうが速いことがあります。
だからこそ、Blenderは「何でもできる」より、「硬質面と仕上げをまとめやすい」と捉えるほうが使い分けやすいです。

項目ZBrushBlender
得意分野顔・肌・布など有機的造形武器・メカ・アクセサリーなど硬質面
操作の軸スカルプト中心モデリングからレンダリングまで一貫
ブーリアン耐性Dynameshやライブブーリアンが強力重くなりやすい
高密度処理1,800万ポリゴン級でも扱いやすい200万ポリゴンあたりが実用の一つの基準
導入のしやすさ低スペックPCでも動きやすい無料で始めやすい

ZBrushで造形しBlenderで仕上げる併用ワークフロー

近年はBlender単体でフィギュア原型まで作る流れも成立しつつありますが、初めてなら併用のほうが失敗が少ないです。
素体づくりと顔、腕、服の厚みなどの有機物はZBrushで進め、武器や装甲、台座のような硬質面はBlenderで整える。
最後にBlender側でパーツ分割や配置、見え方の確認を行うと、造形の勢いを落とさずに出力用の整理まで持っていけます。
中でも、パーツが増える原型は処理の軽さがそのまま作業時間になるので、役割分担はかなり効きます。

この組み方なら、顔のニュアンスをZBrushで詰めたあと、Blenderで接地や干渉を見ながら武器を収める、といった流れが自然です。
逆に、硬質パーツをZBrush側のライブブーリアンに寄せて解決したほうが早い場面もあり、道具の得手不得手を見ながら行き来する発想が大切になります。
比較表で強みを並べておくと、どこをどちらで処理するか判断しやすくなりますし、最初の1体を完走する道筋も見えやすくなるでしょう。
おすすめです。

必要な道具・PC環境と費用の目安

ZBrushはサブスク型に一本化され、1年56,100円・1か月6,050円(税込)で使う形になっています。
買い切りの新規販売は終了しているので、最初は1か月プランで試し、継続するかどうかを判断する流れが現実的です。
対してBlenderはオープンソースで無料のため、造形からレンダリングまで費用ゼロで触れます。
初期投資はソフト、PC、入力デバイス、出力手段の順で考えると整理しやすいでしょう。

ソフトの費用

ZBrushは高価な専用ソフトという印象がありますが、実際には「最初から長期契約するかどうか」を急いで決める必要はありません。
まず1か月6,050円(税込)で触ってみれば、ブラシ操作や対称造形の感覚が自分に合うかを見極めやすくなります。
筆者も最初は造形のために高性能PCまでそろえるべきか悩みましたが、試しに入れた段階で思った以上に敷居が低く、浮いた予算をペンタブと光造形機に回せました。

Blenderは無料で始められる点が強く、学習コストの低さがそのまま初期費用の軽さにつながります。
単に「安い」だけではなく、モデリングからレンダリングまで一通り触れるので、3D造形の入口として無駄がありません。
いきなり有料ソフトへ進まず、まずBlenderで立体の扱いに慣れてから次を考える順序でも遅くないはずです。

PCとペンタブの選び方

ZBrushはグラフィックボード不要で、比較的低スペックのPCでも動作します。
ここを誤解してゲーミングPCを新調すると、ソフト本体より先に機材予算が膨らみます。
実際には、造形の入り口で必要なのは派手なGPUよりも、安定して描ける入力環境です。
筆者が手持ちのグラボなしノートで試したときも、少なくとも対称造形の練習には十分でした。

入力デバイスはペンタブが実質必須で、ワコム系のWinTab対応機が扱いやすいです。
安いペンタブで始めて筆圧の追従に不満が出た経験もあり、練習段階では手持ち機材で進めても、作り込みの段階では描き味の安定が効いてきます。
N-Trigベースの一部タブレットは互換性の問題が出やすく、細かな線のコントロールを求める場面では避けたほうが組み立てやすいでしょう。

3Dプリンターを買うか出力サービスを使うか

出力まで視野に入れるなら、最初から3Dプリンターを買うかどうかで迷いがちです。
ただ、机の上に置ける本体だけでなく、洗浄、二次硬化、レジン管理まで含めると、導入の重さは見た目より上がります。
造形の練習を優先する段階では、出力サービスで形を確認しながら進めるほうが、機材の失敗コストを抱え込みにくいです。

反対に、自宅で頻繁に出力したいなら、3Dプリンターを早めに入れる意味があります。
自分の手で修正してすぐ出せるので、形の検証速度は上がります。
とはいえ、まずはソフトと入力環境を整え、出力は外部に任せる構成でも十分に始められます。
造形の初期段階では、そのほうが予算配分の見通しを立てやすいです。

制作ワークフロー:素体からポーズ付けまで

素体づくりは、後から直す前提で進めるより、最初の段階で全身のバランスと形状をほぼ決め切る意識が要になります。
ZSphereや球体でアタリを取り、頭・胸・骨盤のつながりを早い段階で整理しておくと、衣装やディテールを足すときに迷いが減り、造形の破綻も起こしにくくなります。
手を動かす順番がそのまま完成度を左右する工程です。

Step1: 素体をつくる

最初の工程では、ZSphereや球体から大まかな骨格を起こし、全身の重心とシルエットを先に固めます。
ここで形が曖昧だと、あとから腕の位置や胴の厚みを足しても帳尻合わせになりやすいからです。
素体段階で「この人はどこに重心があるか」「どの角度から見ても破綻しないか」を見ておくと、後工程の修正量がぐっと減ります。
衣装を先に考えるより、まず土台を整えましょう。

Step2: プロポーションと造形を作り込む

プロポーションでは、脚や腕を単なる円柱として扱わず、筋肉の付き方や面の切り替わりを意識して削り込みます。
筆者も以前、腕を円柱のまま進めてしまい、どうしてもマネキンっぽさが抜けませんでした。
ところが上腕二頭筋と三角筋の当たりを足した瞬間に、急に生き物らしい重みが出たんです。
観察対象を横に置き、当てながら削る進め方がいちばんおすすめです。
正面だけでなく側面も確認しつつ、輪郭の段差を少しずつ整えてみてください。

プロポーションの判断基準としては、全体像が正面・側面・背面いずれから見ても丸または楕円に収まるかが分かりやすい指標になります。
髪や衣装のボリュームで空間を補い、空きすぎる部分を意識して埋めていくと、360度どこから飾っても崩れない安定感が出ます。
背面がスカスカだと棚に置いたときに弱く見えますが、楕円のまとまりを意識すると見栄えが一気に整います。
ここはおすすめの見直しポイントです。

Step3: ポーズを付けて完成形に近づける

造形が固まったら、最後にポーズ付けへ進みます。
素体の段階でバランスを決めておくほど、腕や腰を動かしたときの破綻が少なくなるため、ここでは無理な捻りを狙いすぎないほうが扱いやすいでしょう。
初心者なら、まずは自然な立ちポーズから始めるのがおすすめです。
重心の流れと接地感がつかみやすく、完成後の安定感も確認しやすくなります。
動きを盛るのは、そのあとでも遅くありません。

3Dプリント出力に向けたデータ準備

3Dプリントの出力前処理では、まず完成形をそのまま印刷するのではなく、組み立てやサポート除去を前提にデータを分ける発想が要になります。
見えない分割線をどこに置くか、中空化で内部をどう逃がすか、スライサーでどう寝かせるかで、後処理の手間と仕上がりがそのまま変わります。
特に大型フィギュアは、最初のデータ設計が甘いと接合跡やレジン残りが目立ちやすくなるので、出力前のひと手間を丁寧に積み上げましょう。

パーツ分割と中空化のやり方

完成した造形は、そのままでは印刷できない場面が多く、組み立てやサポート除去を見越して先にパーツへ分けておく必要があります。
可動部や接着面をまたぐ分割線を雑に置くと、合わせ目の処理が増えるだけでなく、顔や衣装の情報量が高い面に継ぎ目が来てしまいます。
目立たない面へ逃がしつつ、あとで削りやすい位置に線を引くことが、結果的に完成度を上げる近道です。

光造形では中空化も欠かせません。
内部をくり抜かないまま出力すると、内側に未硬化レジンが残り、数日後に染み出してひび割れやレジン漏れを起こします。
筆者も中空化せずに出力してしまい、後日パーツが割れた失敗を経験してからは、必ず抜き穴を設けて液を逃がすようになりました。
中空化は形を軽くするためだけではなく、造形を長く保つための保険でもあります。

サポート付けとスライサー設定

スライサーでは、モデルをそのまま置くのではなく、回転させてサポートを付けやすい角度へ調整してから出力します。
角度の選び方で、造形面に残る跡の出方はかなり変わります。
たとえば顔の正面を安易に上向きへ置くと、サポート痕が目立ちやすくなりますが、少し斜めに倒して頬や髪の内側へ跡を逃がせば、仕上げの負担が軽くなります。
筆者も最初は角度を甘く見て正面に跡を残し、そこから斜め配置を基本にするようになりました。

サポート設定は、強く支えればよいわけではありません。
付けやすさだけで決めると、剥がし跡が増えて表面の綺麗さを損ねます。
造形中に荷重がかかる部分だけを支え、見せ場の面にはできるだけ痕を残さない配置にするのが勘所です。
少し時間をかけて向きを試し、実際の見え方を意識してから流すだけで、後の磨き作業が軽くなります。

大型フィギュアの分割出力と接合

造形サイズを超える大型フィギュアは、データを複数パーツに分割して出力し、あとで接合するのが定石です。
無理に一体で収めようとすると、向きの自由度が下がり、サポート痕や失敗率が上がります。
分割しておけば、各パーツごとに最適な角度を取れるうえ、細部の造形密度も保ちやすいのが利点です。

接合しやすさまで考えるなら、分割位置は目立たない面に置くのが基本になります。
背面や服の折れ目、髪の流れの切れ目に線を寄せておくと、接着後の処理が楽です。
大型はパーツ数が増えるぶん手間も増えますが、接合面の設計がよければ、後処理の負担はむしろ読みやすくなります。
おすすめは、分割前に完成後の視線の通り道を想像してみてください。
見せたい面を守る配置ができれば、組み上げたときの印象がぐっと安定します。

初心者がつまずくポイントと練習の順序

3D造形の最初の壁は、モニター越しに立体を読む感覚がつかめないことと、ツール全体の流れが見えないことにあります。
どこで何を崩しているのか自分でも分からず、手を止めてしまう人が多いのは自然なことです。
だからこそ、最初から完成形を狙わず、触った結果がすぐ見える工程に分けて進める順序が効いてきます。

球体から始める対称造形の反復練習

いきなり好きなキャラを作ろうとして数日で手が止まった経験は、初心者なら珍しくありません。
筆者も同じで、顔や髪の形を追うほど、ブラシの効き方や面のつながりが見えなくなりました。
そこで球体に溝を掘る、膨らませる、削るという基本だけに戻したところ、左右対称のまま変化を重ねられるので、形がどう変わったかを目で追いやすくなりました。
成果が小さくても確認できるため、操作の理解と立体感覚が同時に育ちます。
おすすめなのは、まず大きく盛る、次に削って戻す、最後に細部を整えるという反復です。

ベースメッシュ・プラグインで骨格の難所を回避する

人体比率でつまずく場面では、ゼロから骨格を立てようとしないほうが進みます。
DAZ Studioなど無料ソフトで作った素体ベースを取り込んでから造形を始めると、難所は「骨格を作ること」から「形を整えること」に移り、集中先がはっきりするからです。
筆者も既存のベースメッシュを土台にしたとき、比率の迷いが減って完成率が上がりました。
頭身や肩幅の違和感を最初から抱え込まずに済むので、造形そのものの面白さに手を伸ばしやすくなります。
まずは土台を借りて、顔や衣装の起伏だけに意識を向けてみてください。

1体を完走するためのスケジュールの組み方

完成まで持っていくには、工程を細切れにするのがいちばん現実的です。
「今週は素体、来週は顔、その次は手」と区切るだけで、毎回の着地点が明確になり、途中で全体像に飲まれにくくなります。
原型会社の進め方として約1か月で1体という目安を置くと、短すぎて焦ることも、長すぎてだれることも減ります。
実作業は、1回ごとに終わりを決めるほうが続くのです。
おすすめは、1日で全部やろうとせず、30分でも触る日を積み重ねること。
そうしてみてください。
小さく完走する経験が、次の1体へのいちばんの足場になります。

完成後の展開:塗装・出力サービス・販売の注意

完成後の選択肢は、すぐに塗装へ進んで完成度を上げるか、外部サービスで試作を重ねてから自宅機に踏み切るかの二系統に分かれます。
頻繁に形を確認したいなら自宅の光造形機、まずは少ない回数で試したいなら外部の3D出力サービスが向いています。
筆者も自宅機を導入する前は小さなデータを外部に投げ、分割位置の甘さを安く洗い出せたので、いきなり実機を買わずに進める流れは。

自宅の光造形機と外部出力サービスの使い分け

自宅で出力できる強みは、思い立ったその日に形を確認できる点にあります。
サポート形状や分割線を直して再出力しやすく、試作の回転が速いほど手元の機材は効いてきます。
ただ、使用頻度が低いなら本体価格だけでなく洗浄や保管の手間も乗るため、最初は外部サービスで必要な分だけ頼んだほうが無理がありません。
SLA方式の3D出力サービスは最低2,000円前後、造形物の最低料金は200円程度から依頼できるので、小さな検証を積み重ねる入口として使いやすいです。
同じデータでも業者ごとに料金差が出るため、見積もりをいくつか比べてから決めると納得しやすいでしょう。

ガレージキット化・塗装への展開

出力したパーツは、そのままでも形は見えますが、表面処理とサーフェイサーを通すだけで印象が一段上がります。
さらに塗装まで進めると、層の段差や細かな傷が目立ちにくくなり、ガレージキットとしての完成度がぐっと増します。
デジタル造形は、複製を前提に原型を整えやすいのが強みです。
左右差の詰め直しや分割の見直しもデータ側で行いやすく、完成品を一体で終わらせるより、原型として育てていく発想と相性がいいと言えるでしょう。
塗装見本を作りながら形を詰めていくと、仕上がりの方向性も見えやすくなります。

販売する場合の版権と当日版権の基礎

版権キャラの立体を販売するなら、当日版権など権利者の許諾が前提です。
無版権のガレージキット頒布は認められません。
ここを知らないままイベント参加を考えていた時期に、許諾申請の存在を知って計画を組み直した経験がありますが、販売前に権利確認を入れておくかどうかで準備の順番が変わります。
ワンフェス初参加は卓代・版権料・材料費を含めて総額10万円以上を見込むケースが多いので、作品づくりと同じくらい、費用と手続きの見通しを立てておくことが欠かせません。
販売まで視野に入れるなら、まず許諾の有無を確認し、そのうえで展示か頒布かを決めていきましょう。

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